トロント大学交換留学 Diary

トロント大学の交換留学を終えたほとりです。トロント大学やカナダでの日々、感じたことを綴っています。

カナダの大学におけるGender 認識について

こんにちは。

カナダのトロント大学に交換留学中の Hotori です。

 

今日は、私が所属している Victoria College のオリエンテーションのキットをもらって学んだことを書きたいと思います。

 

その中でも、she/her のバッジについて気になったので、わかったことを共有したいと思います。

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”She/her”

 

この表記、日本でもインスタグラムの自己紹介欄などで見たことはあったのですが、どのように使われているかは全く知りませんでした。

 

キットをもらうときにブースにいた大学の先輩から、

「この中から自分に合うバッジを選んでね」

 

と言われ、自分は she/her だな、とは思っていたのですが、まだ見たことのない they/them や xe/xim などがあったため、ちゃんと知りたいなと思い、その先輩に

 

「xe/xim って初めて聞いたんですけど、どういう意味ですか?」

 

と聞いてみました。

 

Gender って知ってる?

Sex が生物学的な意味での姓であるのに対し、Gender は社会的に求められがちな「男らしさ」や「女らしさ」のことです。

 

「あなたは she/her かな、違ったらごめんなさいね」

見た目が女性でも、心や性的指向が必ずしも女性だとは限らないという認識から入るということを皆が自然としている印象でした。

 

自分をどう呼んでほしいかを相手に示すために、「She/herを使います」

I use she/her pronouns.

と自己紹介します。

最近では、インスタグラムなどの紹介欄に She/her などと記す人が多いです。

 

 

一部の人だけが Gender を意識しているのか?

大学内の所属カレッジのオリエンテーションで、初めて私は 自分の性表示について体験しました。

 

しかし、ここで一つ疑問が。

オリエンテーションというカレッジ公式のイベントだから、このような意識高い系のことをしているのではないか。

 

日本でも性認識について興味のある人が、ジェンダーについて議論・勉強・運動しているように自分の中では感じていました。

 

私自身、なんとなくLGBTQ+などについては、知っていましたが、そこまで考えたことはありませんでした。

友人が、ジェンダーについて考えたり勉強したりしている姿を見て、すごいな、と感じるほど自分の中では、接点の少ないトピックでした。

 

ところが、ここでは初授業の冒頭で先生が自分の pronouns を紹介したり、

寮の自己紹介などで、名前、専攻、学年に加えて、ジェンダーも紹介したりします。

 

Pronouns を提示することで、逆に偏見は生まれないのか?

見た目が女の子なのに、He/hisを使う子には、まだ出会ったことがありません。

Vise versa 逆もまた然りです。

 

マイノリティと言われる人が、自分の認識通りのPronounsを名乗ったらどうなるのか。

そこに偏見は生まれないのか。

確かに、理解してくれる人は増えてきているのだろうけど、それでもあまり知らない人は驚いたり、慣れなかったりするかもしれません。

自分のジェンダーを開示することはとても勇気のいることです。

海外のセレブリティや、有名なインスタグラマーなどで開示している人はいますが、日常生活を送る中で、自分から性を伝える場面は少ない気がします。

 

全ての性を受け入れよう、というゴールがあるのに対して、

Pronounsを伝えることによって、偏見が生まれるのは悲しいですよね。

それならわざわざ、それを自己紹介に組み入れなくてもいいのでは、と思います。

もちろんこれも、まだまだ狭い考えなのだろうとは思いますが…

 

それでも…

それでもやっぱり、Gender 認識が広まればより多くの人にとって生きやすい社会になると思います。

女の子だからスカートをはかないといけない、ランドセルは赤。

男の子だから泣いたらダメ。

 

私はShe/her Pronouns ですが、そんな私がもし自分が自己認識とは異なるpronouns で呼ばれたら、やはり戸惑うこともあるかもしれません。

アメリカ育ちなのに日本人だと一括りにされたり、日本語が母国語なのに彫が深いからという理由で英語で話しかけられたり、というときの、「本当は違うのにな」という感情と似ているのかな、と思ったりもします)

 

この考えが世界中で当たり前になるのには時間がかかるかもしれませんが、ここトロントでは広まりつつあります。最初は偏見に繋がらないのかと不安だった私の考え方も、少しずつ変わってきました(更新:トロントに来て1か月経ちました)。

皆が心地よく、自分の思うように過ごせたらいいですね😊

 

まだまだジェンダーについて勉強中です。

 

以上、トロントに来て1週間目に感じたことでした!

 

 

本日の単語

pronouns

What’s your pronouns?

高校英語などでは代名詞の意味で習ったのですが、文法解説以外でも日常的に使われることを知りました。

 

 

つぶやき

ジェンダーってパソコンで打ちたいときに、

Genderだから…英語の感覚で打つとゲンダーになってしまうことが多発。

 

自己紹介で思い出したのが、日本の大学で初対面の挨拶をする際に、ときどき

「好きな異性のタイプは?」

という質問があります。

これも相手の性的指向が、生物学的な異性だと決めつけてしまっていることになりますよね。

もし今後、このような場面があれば、そのときに自分がどういうことを学んだかを軽く共有してみてもいいかも、と思いました。

 

そうなれば日本でも、少しずつ性に対する認識が広まりそう…